JOINT RESEARCH 01
共同研究事例1
ディスプレイタイプがVR体験時におけるユーザーの空間認知と内省、生理に及ぼす影響
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近年,360°動画コンテンツ視聴時のHMDと他媒体との比較による記憶や認知への影響に関する研究が進んでいます.その一つに単一モニタとHMDで360°動画コンテンツを視聴したときの短期記憶は単一モニタ の方が有意に高いという結果があります.また,HMDと単一モニタでは360°動画コンテンツの視聴においてHMDの空間認知が有意に高くなることも報告されています.これらの結果は視聴媒体が違うと認知に異なる影響を及ぼす可能性を示唆するものです.同種情報を得る際に透過光による媒体と反射光による媒体では脳が全く違う反応を示すといわれていますが,これらの先行研究では360°動画コンテンツの視聴において,後面を含む四面スクリーンの投影環境とHMDを認知や理解の面で比較した知見は得られていません.360°動画コンテンツの視聴環境における視聴媒体の影響の違いについて理解を深めることは,我々が当該コンテンツを適切に利用していく上で重要な知見となります.現在,透過光の媒体であるHMDと反射光の媒体である四面スクリーンにおいて,360°動画コンテンツ視聴による比較・分析を他大学と共同研究で行っています.
JOINT RESEARCH 02
共同研究事例2
生体センサーデバイスの開発
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ウェアラブルを謳う現状の脳波計でも頭皮上の電極やヘッドギア等の日常生活では異質なインタフェースに頼った計測に限られており、誰もが簡単に日常生活で違和感のない状態で脳波を記録する生体インタフェースは実現していません。本研究では外耳道に特化した高ロバスト性を有する計測技術を確立し、中枢系生体情報として高い潜在力を持つ脳波を安定的に計測する新しい生体センサーデバイスを開発します。
JOINT RESEARCH 03
共同研究事例3
睡眠への影響を抑制するLED制御基盤技術の開発
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青色光は睡眠の質に悪影響を及ぼすことがわかっています。多くのユーザーがタブレットやスマートフォン、テレビを利用する現代において重要な課題と考えています。当研究室では、寝る前に観ても睡眠に影響を与えないLED光制御の基盤技術を研究しています。
RESEARCH 01
研究事例1
赤外線サーモグラフィーを利用した交感神経系活動の中長期的予測
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生理心理状態の変化に伴い、交感神経系の血管収縮作用を中心とした自律神経系活動により血流量の変化が生じます。特に、鼻部周辺には毛細血管の血流量を調節する動静脈吻合血管が皮膚と鼻骨の隙間に集中しています。皮膚の温度は血流量の変化に応じて変化するため、鼻部の皮膚温度には生理心理状態が顕著に表れます。本研究では、当該生体機序を利用して、赤外線サーモグラフィーより取得した顔面熱画像から中長期的な変動を予測する新しい時系列推定技術を開発しています。
RESEARCH 02
研究事例2
自律神経系活動機序に基づく眠気抑制システム
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現在,脇見や漫然運転等による不注意型の事故は全体の約3割を占めていますが,この事故原因の一つとして主に長時間運転等による疲労の蓄積や飽きによる一過性の覚醒低下があります.特に高速自動車国道等では死亡事故に至る割合も高く,居眠り運転による大型車の事故は社会的な課題といえます.加害者や被害者を生み出さないためにも,自動車事故数を軽減するための対策を行う必要があります. 私達の研究室では,ドライバーに心理的負担をかけずに眠気のみを抑制する,アンビエント型の生体制御技術に取り組んでいます.従来研究では,様々な手法を用いて「眠気を検出する」ことを目的としているものがほとんどですが,本技術は「眠気そのものを起こさせない」ようにすることを目的としているため,従来法とは視点・解決手段が全く異なります.
RESEARCH 03
研究事例3
視床下部の体温調節機序に基づく代謝促進システム
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国民の肥満調査が始まった1977年代から現在までの間,肥満傾向の子供が増えています.また,この傾向は子供だけでなく大人においても同様の傾向がみられています.肥満を原因とする内臓脂肪症候群が強く疑われる者,または予備群と考えられる者は,40~74歳の男性では2人に1人,女性においては5人に1人といわれています.これらの背景には,電車や自動車などの交通機関利用に伴う運動不足や食生活の欧米化,社会環境によるストレス等,過去から現在における生活習慣の変化が起因していると考えられます.肥満は高血圧や糖尿病,癌など多くの病気に関係しているといわれており,我々の健康に多大な影響を及ぼす可能性があることから,肥満解消は重要な課題です.
私達の研究室では,アンビエント型の生体制御技術を用いて,対象者の心理的負担のかからないレベルで生理状態をコントロールし,低下した代謝を促進させる技術に取り組んでいます.本技術で代謝を最大限まで引き出すことにより「痩せやすい身体」を作り,肥満にならないようサポートします.
RESEARCH 04
研究事例4
中枢神経系活動の非侵襲計測に基づく消費者の味嗜好推定
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食品の新商品開発において,消費者の嗜好検査は発売に踏み切るか否かを決める大切な判断材料の一つです.一般的な嗜好の評価として官能評価が広く利用されていますが,官能評価は食品の特性を主観的に評価できる半面,個人差による影響が大きく,再現性も低いことから,消費者の嗜好性を客観評価するための新しい手法の開発が課題となっています.
私達の研究室では,非侵襲脳活動計測および感性マトリクスによる推定を用いて対象者の官能評価結果に対して生理学的裏付けを与える研究に取り組んでいます.本技術で嗜好検査の信頼性向上に貢献します.